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Portrait of Nature -Myriads of Gods-

作家:

小林伸幸

会期:

2015年 8月22日(土)〜9月13日(日)

私はなぜ旅にでるのか。そしてなぜ自然の中に身を置きたくなるのか。 それは、自然の中に宿る神々を感じたいからだと思う。 神などと言うと些か宗教じみるので、「圧倒的な存在」を感じたいと言い換えてもいい。 ハッとする程の存在感を放ち、それでいてそこに在る事が必然である様を感じたいからなのだと思う。

また旅とは日常からの脱却であり、普段感じ得ぬものを感じるには都合の良い行為だ。 独り山河に身を委ねると、自ずと私自身が研ぎすまされ、そして感覚のままに歩めば、そこには息を飲むほどの景観が広がる。
日本では古来より、万物には八百万の神が宿ると言われているが、まさしくそう感じる瞬間が、確かにあると思えるのだ。
故に私は、そうした様を捉えたい。
無常の世にあって、閑寂の中にも異彩を放ち、圧倒的な存在美で迫り来るそれらを、句を詠むが如く捉えたい。
熱く静かに、敬い慈しむが如く。


小林伸幸 / Nobuyuki Kobayashi

1970年埼玉県生まれ。2001年よりN.Y.にてファインアーツの基礎とオルタナティブ・プリント技法を学び、細川紙(和紙)とプラチナ・プリントを融合させた特異な作品制作を開始する。2005年からは台湾やEU圏を中心に積極的に個展を開催。現在開催中のミラノ万博でも作品披露を行う。その作風と精神性は多くの人を魅了し国内外で好評を博している。著書に「自然の肖像~八百万の神々~」(窓社刊)がある。また本年度のカンヌ国際映画祭でも上映された作品制作を追ったドキュメンタリーも世界各地で反響を呼んでいる。

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