作家:
石川直樹
会期:
2020年11月14日(土)〜12月13日(日) 火ー木曜日休廊
*11月21日15時~トークイベント開催。(予約制)
当日は、まだ書店に並んでいない新刊『地上に星座を作る』(新潮社)を先行販売、サイン会も行います。
ご予約はgallerytrax4915[@]gmail.com にメール下さい。
先着30名様まで。当日はマスク着用でお願い致します。
緊急事態宣言が発令し、外出自粛を余儀なくされた2020年前半、ぼくは身動きがとれないなか、東京の自宅で撮影をはじめました。 今回展示する『STAY / HOME / WORK』は、自宅から一歩も出ずに撮影した写真で構成しています。 自室の窓を遮光シートで覆って真の闇を作りだした上で、その上に5ミリ程度の穴をあけると、一筋の光が外の風景を反転させながら部屋の壁に投影されます。 自室そのものを、光学的な原理を使ったカメラの原型、すなわちカメラ・オブスキュラに仕立てあげ、自分自身がカメラの中に入ってしまう状態を作りました。 今まで意識することのなかった洋服棚の凹凸、クリームがかった白の壁紙、埃をかぶった窓枠、傷ついた机、安っぽい椅子…。 それらすべてに反転した外の風景が浮かび上がることによって、閉じられた暗い部屋の四方が一挙に外界に向かって開かれていく。 小さな戸建て住宅の屋根が連なる何の変哲もない街の風景が反転しながら像を浮かべていくさまは、未曾有の疫禍にさらされた日々を、新しい場所へと導く道標となりました。
自室での冒険の記録を、今回展示します。
石川直樹 / Naoki Ishikawa
1977年東京生まれ。写真家。東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。
辺境から都市まであらゆる場所を旅しながら、作品を発表し続けている。
『CORONA』(青土社)により土門拳賞、『まれびと』(小学館)、
『EVEREST』(CCCメディアハウス)により日本写真協会賞作家賞を受賞。 著書に開高健ノンフィクション賞を受賞した『最後の冒険家』(集英社)ほか多数。
最新刊に『地上に星座を作る』(新潮社)など。2021年1月3日まで、
ブラジル・サンパウロのジャパンハウスにて『JAPONESIA』展開催中。